「留学して、そのままカナダで働きたい」
そう考えて渡航を決める人は少なくありません。けれど、実際に現地就職まで辿り着けるかどうかは、留学中の「過ごし方」で大きく変わってきます。
今回は、カルガリーで学び、サプライチェーンの分野で現地就職を果たした一人の卒業生の話をもとに、「留学後に現地就職する」ためにどんな行動が必要だったのかをまとめました。これから留学を考えている方、留学中で就職活動に不安がある方の参考になればと思います。
#1 学校選びは、「卒業後」から逆算する
彼女はもともとモントリオールに語学留学していました。しかし、モントリオールで本格的にキャリアを築くにはプロフェッショナルレベルのフランス語が必要になります。
「もちろん大学に行くことも大事なんですが、学校に行った後、いかに働けるかが私の中ではゴールだったので。」
卒業後の就職まで考えた結果、彼女はカルガリーへの移動を選択しました。大都市すぎず、生活コストも現実的で領事館もあり、住みやすい規模の都市であること。そして何より、現地の状況を知るエージェントに直接相談できたことが、最終的な決め手になったといいます。
学校選びの段階から「その先、現地でどう働くか」を意識できているかどうか。これは、後の就職活動の土台になる、とても大事な視点です。
#2 現地就職の分かれ道は、「コネクション」か「物量」か
カナダでの就職活動には、大きく分けて二つのアプローチがあります。
一つは、人とのつながりから仕事や面接の機会を得ていく方法。もう一つは、IndeedやLinkedinなどの求人に、地道に応募し続ける方法です。
彼女自身、この両方を経験しています。

きっかけは、卒業の3ヶ月前に参加したネットワーキングイベントでした。そこで知り合ったのは、自分の専攻のサプライチェーンではなくホスピタリティ業界で働く人物。当時は15分ほど雑談をして終わっただけの、ごく軽い出会いだったそうです。
ところが卒業後、その人から突然メッセージが届きます。「同僚が求人を出すんだけど、興味あるかもしれないと思って」と。応募後、その人が社内で自分のことを一言伝えてくれていたことが、結果的に大きな意味を持ちました。大企業の求人には200〜300通、時には1000通近い応募が集まることも珍しくありません。その中で、社内の人間から一言添えられているかどうかは、書類が実際に読まれるかどうかを左右します。彼女はこの縁から選考に進み、複数回の面接を経て内定を得ました。
一方で、もう一つの方法である「応募の物量」も同時に続けていました。1ヶ月でおよそ100社、1日10社という数を自分に課し、企業のサイトから直接応募する。そこから面接に呼ばれるのは5社ほど。決して効率のいい方法ではなく、本人いわく「本当に苦しい」プロセスだったそうです。
どちらか一方ではなく、両方を並行して進めていたこと。そして、その場限りの雑談が3ヶ月後に仕事につながることもあると知っていたからこそ、ネットワーキングイベントへの参加を軽視しなかったこと。これが、現地就職を実現できた人の行動として、とても参考になる部分です。
「やっぱりコネクションを作ることは大事です。コネクションがあった方が、スムーズに自分の希望に合った会社を見つけられるんじゃないかなって思ってます。」

#3「業界未経験」は、伝え方次第で強みになる
彼女の日本での職歴は金融業界の営業。サプライチェーンとはまったく畑違いの分野でした。ゆえに最初は「倉庫の現場から始めて、そこから上がっていくしかない」と考えていたそうです。
けれど、相談したプロフェッショナルからは違う助言をもらいます。前職の経験にも、今の分野で活かせるスキルは必ずある。それを誇りを持ってレジュメに反映させるべきだ、と。
未経験の分野に飛び込むとき、多くの人は経験のなさを引け目に感じてしまいます。けれど、「何をしてきたか」ではなく「その経験を何にどのように活かせるか」に視点を変えて言語化すること。これも、現地就職を目指す上で欠かせない準備の一つです。
#4 面接は、場数でしか越えられない
「英語に自信がないから、留学や就職は難しい。」そんな不安を抱える方も多いでしょう。
しかし、彼女は大学に入学した当時を振り返り、
「大学に入った時の私の英語力って、人とコミュニケーションできる程度のレベルでした。」
と話します。
実際、学校には英語が得意ではない学生も多くいました。それでも共通していたのは、「とにかく伝えよう」とする姿勢だったそうです。
そして就職活動において、英語力そのものより難しかったのは、「自分の経験を、その場の質問に合わせて言葉にする力」だったといいます。日本語であっても難しい作業を、英語でやらなければならない。
そのために取り組んだのが、AIを相手にした模擬面接の反復練習と、ネットワーキングイベントで毎回行う自己紹介、いわゆる「エレベーターピッチ」の実践です。友人相手ではなく、プロフェッショナルな場で自分の経歴を簡潔に話す練習を重ねることで、突発的な質問にも対応できる力がついていったそうです。
準備は机の上だけでは完成しません。人前に立ち、何かを伝えようとする場数を、留学中にどれだけ踏めるか。ここに大きな差が出ます。
#5 一人で決めなくていい
彼女が最初にカルガリーとSAIT大学を選んだ決め手は、現地に長く住むサクセスカナダのヨシミから聞いた、生の情報でした。「ビジネスを専攻したいならこの大学。現地での評判がいいから、信じてみて」。この一言がなければ、今の進路は選んでいなかったかもしれない、と話しています。
留学の準備も、現地でのキャリア形成も、インターネットで正しい情報をすべて手に入れられるわけではありません。だからこそ、現地の感覚、最新のリアルで正確な情報を持つ人に相談できるかどうかが、最初の一歩を後押ししてくれます。
今回のインタビューを通して感じたのは、現地就職は卒業してから始まるものではなく、留学を決める段階からすでに始まっているということです。
どの街を選ぶか。どの学校を選ぶか。学生生活をどう過ごすか。誰と出会い、どんなつながりを築くか。
一見ばらばらに見えるこれらの選択が、実は一本の線でつながっていて、卒業後のキャリアを形づくっていく。今回話を聞いていて、それを強く感じました。
「現地就職したい」という思いがあるなら、学校選びの時点で、すでにその先を見据えておく価値があります。サクセスカナダでは、そうした「その先」まで含めたご相談をお受けしています。
「留学の先、現地で働くこと」を見据えている方は、ぜひ一度お話しさせてください。

